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想定為替レート
皆さんは「大手家電メーカーの○○は想定為替レートを上回る円高により営業利益の下方修正を発表しました」というようなニュースを見たことがあるかと思います。これは輸出の時は円高だと現地通貨の価格にしたときに通常の利益率を確保しようとすると値段が上がってしまい、競合他社との競争に不利になってしまうため値上げをせずに利益を減らしているためです。
製品原価:40000円
定価:50000円
利益:10000円
想定為替レート1ドル=90円
50000円の商品=555ドル
利益10000円
実際の為替レート1ドル=78円
50000円の商品=641ドル(約13%の値上げとなる)
競合他社との競争力が低下するので値上げできない。
555ドル=43290円
43290円-40000円=3290円
10000円-3290円=6710円の減益
※実際にはもっと複雑ですが考え方として単純化しています。
では逆に輸入品はどうなのでしょうか?なかなかニュースになりませんよね。
製品定価:500ドル
仕入原価:400ドル
想定為替レート:1ドル=90円
500ドル=45000円
400ドル=36000円
利益9000円
実際の為替レート 1ドル=78円
500ドル=39000円
400ドル=31200円
価格改定(円高差益還元)をしなければ 45000円-31200円=13800円
為替差益だけで4800円の増益
※実際にはもっと複雑ですが考え方として単純化しています。
昨年消費者庁から実に6割の方が円高のメリットを感じていないという発表がなされています。
出典:消費者庁 円高メリットに関する消費者緊急意識調査報告書
http://www.caa.go.jp/information/pdf/1130kouhyou2.pdf
皆さんはどのように感じますか?